トップページ  >  連載  >  登記問題あれこれ5

登記問題あれこれ

平成30年12月11日

5.会社をつくる(設立登記2)

前回は、設立登記の概略を見て参りましたが、今回からそれぞれの項目について細かくあたっていこうと思います。

 

ではまず会社の名前である商号についてみていきたいと思います。

会社の商号について会社法では、第2章(第6条から第9条)で定められています。

 

(商号)

第6条 会社は、その名称を商号とする。

2 会社は、株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社の種類に従い、それぞれその商号中に株式会社、合名会社、合資会社又は合同会社という文字を用いなければならない。

3 会社は、その商号中に、他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。

 

第6条の1項は、読んだままです。2項を見てみましょう。会社の商号の中に必ず会社の種類がわかる文字を用いなければならないということです。ということは、会社の商号を決める際には、必ず会社の種類を決めないといけないということです。

会社の種類は、第2項に挙げてあるとおり、株式会社、合名会社、合資会社、合同会社の4つで、普通に会社を設立する場合には、まずこの4つの中から会社の種類を、選択しなければなりません。

合名会社・合資会社というのは、最近ではごく少数なので、あえてどうしても、合名会社や合資会社を作りたいという人以外は対象とならないと思いますので、ここでは、株式会社と合同会社について見ていこうと思います。

 

1.設立に必要な人数

株式会社の場合  最低1人

合同会社の場合  最低1人

と会社設立に必要な最低人数は、どちらも1人という事になります。ただし、同じ1人なのですが、内容は少し違います。株式会社の場合は、出資者(株主)が1人と、経営者(代表取締役)が1人必要で、それを同じ人が兼ねてもよいということで、合同会社の場合は、出資者(社員)が経営者となります。少し詳しくいいますと、株式会社の場合は、出資(株主)と経営(取締役)が分かれているのに対し、合同会社の場合は、出資(社員)と経営(業務執行社員)が分かれていないので、出資者が一人であればその一人が必ず業務執行社員となり会社の経営をすることになります。

 

2.設立に必要な資本金

株式会社の場合 最低1円

合同会社の場合 最低1円

と会社設立に必要な資本金はどちらも最低1円です。ただし、どちらの会社も登記簿に資本金の額が記載されますので、注意が必要です。

 

3.定款の認証

株式会社の場合 必要

合同会社の場合 不要

とここで違いが出てきました。株式会社の場合定款認証費用として5万円が必ず必要となり、合同会社の場合は定款認証が不要なので、この5万円は不要となります。(定款を電子定款とした場合にはどちらの定款でも印紙はいらないのですが、紙で定款を作った場合には、どちらの会社の定款も、印紙4万円が必要となります。)

 

4.設立登記の登録免許税

株式会社の場合 最低15万円

合同会社の場合 最低6万円

どちらの会社も資本金額が大きくなればそれに伴い登録免許税も高くなりますが、最低の金額がこれだけ違います。

 

5.設立後の違い

株式会社の場合 役員に任期があり、任期満了時に役員変更登記が必要

  決算公告が必要

合同会社の場合 任期満了による役員変更登記が原則不要

  決算公告が不要

設立後のランニングコストも合同会社のほうが安くなります。

 

6.知名度

株式会社の場合 高い

合同会社の場合 低い

知名度の高い低いで何がかわるかといいますと、従業員が集まりにくいとか融資が受けにくいとか取引先の会社が嫌がることがあるなどでしょう。

 

7.その他

株式会社の場合は株式として外部から資金を集めやすく、上場も出来ますが、合同会社の場合は外部からの資金を集めようとすると社員という形になりますので資金は集めにくくなります。但し、合同会社も株式会社と同じく社債を発行することは出来ます。この場合ですと出資金ではなく債権となってしまいますので返さないといけなくなります。合同会社は上場出来ません。ただし、必要な際にはいつでも株式会社へ組織変更できます。また、税制についてはどちらも同じです。

 

どちらの会社形態がよいかというのは一つの答えはありません。その方にあったものが正解となります。

例えば、一般消費者の方が相手の仕事で、資金は自己資金で、外部からの出資や融資も必要があまりないという方は、合同会社がいいですし、反対に取引先は大企業、これからどんどん出資を募って、ゆくゆくは上場と考えている方は株式会社をお勧めします。

  

今回は、株式会社と合同会社の違いについて見ていきました。次は商号のもう少し細かいことを説明したいと思います。

top