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登記問題あれこれ

平成30年9月6日

4.会社をつくる(設立登記)

これから会社をつくろうと考えている方や今はまだだけど将来自分で会社をつくって仕事をしようと考えている方に向けて会社の設立登記について書いてみようと思います。

 

会社法第49条には 「株式会社は、その本店の所在地において設立の登記をすることによって成立する。」とあり、会社は設立登記をして初めて成立します。

 

今回は一般的な株式会社を例に、会社の設立登記の手順と費用、どのくらいの時間が必要なのかを説明していきます。

 

まず会社の設立登記をするにあたってどういったことから始めないといけないかといいますと、会社の根本規則である定款を作らないといけません。では、その定款にはどんなことを書かなければならないのでしょう。会社法には定款の絶対的記載事項とか相対的記載事項とか任意的とか書かれていますが、一番最初に決めないといけないことは次の3つです。

① 何という名前で(商号)

② 何処で(本店)

③ 何をしてお金を稼ぐのか(目的)

この3つを決めないと定款も作れませんし、会社の印鑑も作れません。ということでこの三点をまず決めます。(個人で商売をされている方のいわゆる法人成りのケースだとこの三点は、既に決まっていることと思います。)

この中で③の目的は、既に決まっていることがほとんどだと思います。何をするか決めずに取り敢えず会社をつくろうと考える方はあまりいません。

次に何処でというのは、仕事の種類によってかなり違いがあると思いますが、大体どの辺りでどのくらいの大きさでなどということは、考えにあると思います。

それから商号ですが、会社法以前の商法の頃には類似商号の規制が強く、既に似たような名前の会社があった場合にはその商号は使えないといった事があったのですが、今はほぼないので、(といっても全くないわけではありませんが。)気に入った名前をつけます。(多少の禁則事項はありますが。)

この三点が決まると次に

④ 役員

⑤ 資本金

⑥ 出資者(発起人・株主)

⑦ 決算期(事業年度)

などを決めていきます。役員(取締役・代表取締役・監査役など)は現在では株式会社でも、取締役が1名いればよいので(1名の場合その人が代表取締役になる。)取り敢えず自分だけで会社をつくろうという場合には、自分一人で出来ます。

資本金は出資者との兼ね合いはありますが、ここでも取り敢えず自分の貯金で自分一人が出資者となって会社をつくることが出来ます。資本金は1円から出来ますが、実際にはあまり見ないです。100万円・300万円・1000万円あたりがよく目にするところで妥当なところであると思います。その資本金額を基に株式会社ですから1株の株式の金額を決めます。よくあるところでは1万円や5万円です。

 

また、この定款を作るのとあわせて会社の印鑑を作っておきましょう。というのは、定款作成段階では、使う印鑑は発起人の個人の実印のみなのですが、定款作成後の書類にはすぐに会社の印鑑が必要になります。印鑑を作るのにも1週間くらいかかると思いますので、商号が決まればすぐに注文しておきます。

 

定款が出来てもそれだけでは会社の定款として登記することは出来ません。出来上がった定款を公証人役場で公証人に認証してもらう必要があります。この時に必要な書類は、定款と発起人の印鑑証明書です。費用は定款に貼る印紙4万円。公証人の手数料5万円定款の謄本代等数千円。

定款認証が終わると次は資本金です。ご用意した資本金を発起人の通帳に振り込みます。ご自分が一人で発起人となる場合でも、自分の通帳に自分の名前で振り込みます。(振り込みでなくても出来ないわけではありませんが。)

その後は、設立登記に必要な各種捺印書類に、発起人の実印や取締役の実印や作っておいた会社の印鑑を押して株式会社設立登記申請書と一緒に管轄の法務局に提出します。この時の費用が、登録免許税という印紙で払う税金で、資本金が1000万円の会社なら15万円かかります。資本金が小さくなっても同じだけかかりますが資本金に0.7%を掛けた金額が15万円を超える場合はその金額になります。会社の謄本や会社の印鑑証明書で数千円かかります。またこの時に必要な書類は、取締役の印鑑証明書です。登記申請して、会社謄本が取れるようになるまでの時間は約1週間です。これで会社が出来上がります。

 

最後に整理してみましょう。

費用:定款に貼る印紙4万円  公証人定款認証手数料5万円 謄本等2千円くらい

登録免許税 15万円  会社謄本等 3千円くらい

全部で26万円くらいになります。

時間:商号が決まって登記申請まで約1週間から2週間

申請して会社謄本が取れるまで約1週間

全体で2週間くらいです。

 

上記の費用は、自分で公証人役場に出かけ、自分で法務局に行ったときの実費です。そのほかに交通費など諸々かかるかと思います。

登記の専門家である司法書士に依頼した場合:司法書士の報酬は会社の内容にもよりますが、大体10万円くらいです。結構かかるように思われるかも知れませんが、司法書士に依頼した場合、定款については電子認証というやり方でしますので、定款に印紙を貼る必要はないので実費は4万円安くなります。ということは自分でする場合と5・6万円しか差がありませんし、内容についても様々なアドバイスも貰えます。何より自分で動かなくていいのでその間、会社の開業準備をすることが出来ます。自分でわかりにくい書類を作って走り回ってすることを考えれば決して高い金額ではないと思います。

また、時間につきましても司法書士に依頼すれば、お話を伺った段階ですぐに定款の見本を作成し、間違いがなければすぐに公証人と連絡をしてすぐに定款認証の手続に進みます。そして資本金の振り込み、会社実印が出来上がれば必要書類にご捺印を頂きその足で法務局へ行って(実際には事務所のパソコンからオンラインで)設立登記を申請します。

今回は簡単に会社の設立登記に係る費用や時間必要事項などを説明しました。思われていたより時間も費用もかからないと感じられたのではないでしょうか。

次回は、設立に必要な事項について詳しく説明したいと思います。

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