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登記問題あれこれ

平成29年4月7日

3.休眠会社のみなし解散登記と会社の継続

休眠会社というのは、最後の登記(登記事項証明書の取得や印鑑証明書の交付などは含みません。)から12年を経過している株式会社(特例有限会社は含まれません。)のことをいいます。

この休眠会社に対して、法務局が整備作業として職権で解散登記をすることをみなし解散登記といいます。

このみなし解散登記は、法務局が休眠会社に対して個別に最後の登記から12年を経過した日に、何の連絡もなく会社を解散させて気がつけば会社が無くなっていたというものではないのでその心配はないのですが、まず法務大臣からの官報公告と各管轄の法務局からの個別通知が行われます。

官報による公告は普段見ることはないと思いますが、個別の通知につきましては、登記上の本店所在地宛に送付されます。(会社の本店を実際の所在地とは違う場所で登記されているような場合には、この通知に気がつかない場合があるかも知れません。)

この登記所からの通知を受け取った後は、まだ事業をされている会社は、公告日から2ヶ月以内に、何らかの登記を申請する(役員変更登記に限られません)もしくは法務局にまだ事業を廃止していない旨の届出をしなければ、2か月の満了をもって、みなし解散登記手続が進められ、みなし解散登記が職権でなされます。

みなし解散登記がなされますと、通常の解散登記同様に、取締役及び代表取締役、取締役会設置会社である旨の登記が抹消されます。実際には登記事項証明書の該当箇所に下線を引いて抹消したことを表します。監査役は残ります。

このようなみなし解散登記がされても、登記簿は閉鎖されませんので会社の登記事項証明書は取ることは出来ます。しかし、代表取締役は抹消されているので、会社の印鑑証明書は取れなくなります。

この2ヶ月の間に事業を廃止していない旨の届出をしても、その後なんらかの登記を申請しなければ、次年度も休眠会社の対象となります。

この公告から2ヶ月なにもしなければ会社は解散したものとみなされますが、会社が事業を続けている場合救済措置があります。みなし解散登記から3年間は、特別決議(議決権のある株式の過半数以上の出席で、3分の2以上の賛成)により、継続登記をすることによって、みなし解散された会社を復活させることが出来ます。

実際の登記の手順としましては、みなし解散登記の状態ですと、取締役及び代表取締役の退任(職権)までしか登記されていませんので、まず、清算人就任登記が必要となります。みなし解散による清算人は、定款に定めていれば定款に定めた者、定款に清算人の定めがなければ任期の満了した取締役全員が清算人となります(法定清算人)。もし継続の株主総会などで清算人を別途定めた場合は、一旦法定清算人の就任登記をして、その後清算人の変更登記をしなければなりません。次に継続登記、取締役・代表取締役の就任登記、監査役がいれば監査役の変更登記(退任及び就任)、取締役会を置いている会社であれば取締役会設置会社の定めの設定登記が必要となり、それぞれに印紙代(登録免許税)が必要となります。

あと注意が必要なのは、休眠会社とみなされるということは、必ず登記懈怠(商業登記の場合、変更事項などがあれば原則として2週間以内に登記しなければならない)をしているので、過料の対象となります。

みなし解散の公告・通知の時期ですが、会社法施行前は、およそ5年に1度くらいの間隔で行われていましたが、平成27年度より毎年行われることになりました。平成27年、平成28年は共に10月中旬に公告及び通知が行われています。

取締役の任期を昔ながらの2年としている会社の場合は、忘れにくいと思うのですが、5年や10年に延ばした会社は、会社の方自体がいつ役員変更の時期なのかを忘れがちで、周りの士業(税理士、司法書士など)も忘れがちになりやすいので気をつけてください。

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