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渉外関係 連載

2.渉外関係エトセトラ「契約書を作成する手順」

今回は、私のこれまでの経験に基づき、会社の営業担当(担当課)の方が英文による国際契約書のドラフトを作成するに当たっての一つの効率的な手順についてお話ししたいと思います。

いきなり、書式集を持ってくるのは、お勧めできません。まずは、ご担当者の頭で、今後取引を続け、貴社に利益を確保していく上で、何が重要かを自分の頭で考えてください。何と何が対価関係になっているか、どういう場合に契約を終了させたいか(債務不履行、相手の会社の支配関係の変更…)、決済方法はどうするか、発生しうる損害は何か、賠償額を予め決めるか、それを予防するための手段は何か、予想外の事態に対しどう対応するか(事情変更)、契約終了後も拘束しておきたい事項があるか、紛争解決方法はどうするか…)を列挙することです。その際、時間軸をとって、取引がどのように展開していくか、具体的にイメージしながら、問題点を拾っていくことが、規定漏れ防止の一つの方法です。

契約内容のうちコアとなる法律関係に最も近い契約類型(売買契約、代理店契約、ライセンス契約、委託加工契約、ジョイントヴェンチャ契約など)の英文の書式をコピーします。契約書作成を専門としない方が、思いつくままに、条項を書いてしまうと、4で述べますチェックに大きな負担をかけることになります(総やり直し)。また、日本語で契約書を作成してからの英訳はお勧めできません。両言語を比較した場合、言語として日本語の方が曖昧であったり(幅がある)、論理が不明確だったりするからです。

2の書式に、1で検討した事項を反映させます。

文書の起草者とは異なる人(第三者)で、文書作成を専門にする人がチェックすることで、分析が客観化され、また、規定漏れを防ぐことができます。もちろん、両者のフィードバックは必要ですね。

なお、以上の手順は、Battle of Formにおいて、貴社が主導権をとったような書き方ですが、仮に相手方が先に書式を提案してきても、同じようにお考えください。

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