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契約あれこれ

平成27年6月30日

5.損害保険の弁護士費用特約

車を運転する皆さんは自動車保険に加入しておられると思います。その保険に「弁護士費用特約」というのが付帯していることが多くなっています。自動車保険というと、自身が加害者となったときに被害者の方への賠償のために加入しているのですが、この弁護士費用特約は、加入者が「被害者」となった時にも利用することができます。すなわち、交通事故により、生命・身体・財産に損害が生じ、その損害の賠償を加害者に対して求めるために弁護士に相談・依頼したときに、弁護士に払うべき費用が支払われるのです。保険の内容(商品)によって違いがあるかもしれませんが、多くの場合は自動車を運転・同乗していた場合に限らず、自転車や歩行中に自動車に衝突された場合も利用できるようになっています。

この弁護士費用特約は、自身に過失がある場合でも利用することができます。交通事故で過失割合が100対0というのは、そんなにあるものではありません。横断歩道を徒歩で横断中の事故でも、青信号が点滅しているのに横断歩道に入ったような場合は歩行者にも過失が認められる場合が多いでしょう(道路交通法施行令2条)。加害者側の保険会社担当者から「あなたにも過失がある。」と言われても、弁護士に相談する費用を賄ってもらえるのです。

交通事故に限りませんが、交渉事で弁護士に依頼するメリットはたくさんあります。まず、交通事故の被害者となったときに相手方は保険会社の担当者が窓口になります。保険会社の担当者は、それを専門とする「プロ」であり、知識経験や交渉の進め方など、とても一般の方が太刀打ちできるものではありません。弁護士に依頼すれば弁護士が保険会社との窓口になり、依頼者である被害者のために交渉することになります。また、保険会社の担当者はあくまで自社基準によって賠償額を提示しますので、その額は裁判によって認められる正当な賠償額よりきわめて低額であることが多いです。弁護士は裁判をしたときに認められるであろう賠償額をもって交渉にあたりますので、賠償額が増額するということが考えられます。弁護士は保険会社との交渉だけでなく、後遺障害認定のサポートを行うなど、さまざまなメリットが考えられます。

なお、賄われる弁護士費用には上限が定められていますので、各保険商品をお確かめください。

企業活動においても様々な保険は必要不可欠となっております。その場合、どのような特約があって、どのように活用できるのかも併せてご検討いただければと思います。

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