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契約あれこれ

平成27年3月31日

4.表明保証

最近、契約書に「~であることを表明し、○○を保証する。」という条項が盛り込まれていることがあります。これは主に企業買収や事業承継の契約書に見られるものでしたが、近時では「反社会的勢力ではなく、それらとの関連性も無いことの表明」というように一般の契約書にも盛り込まれるようになってきています。

表明したから、どうなの? それが事実と違っていたら、どうなの?とい疑問が湧いてきます。これらの表明保証条項とあわせて、その内容が事実と異なるときには、最終決済を拒否できる、契約を解除できる、あるいは代金の減額ができる、損害が発生すれば実額を賠償請求できるということからさらに進んで「違約罰」としての賠償額の予定条項まで含まれることがあります。

ところが、買主が表明保証の内容が事実と異なることを知っていた場合は、どうなるでしょうか。東京地方裁判所平成18年1月17日判決は企業のM&Aの事案において「財務内容が貸借対照表のとおりであり、簿外債務等が存在しないこと」を売主が表明保証した場合に、デューデリジェンスを行った買主が知りえなかったというケースにおいて、売主に対し買主への損害賠償を命じました。その中で判旨は、表明保証した内容が真実と異なることについて買主に「悪意(知っていた)または重大な過失があって見過ごした」という事情がある場合には、売主は責任を免れることがある、と言及しました。

これに対し、表明保証した以上、たとえ買主が真実と異なることを知っていたとしても責任があり、極端な場合は信義誠実の原則に従って調整すればよいとする意見や、反対に「重大な過失」に限定さるべきではなく「通常の過失」でも売主は責任を減免されると主張する意見もあり、一致をみていません。

表明保証した結果、それが真実と異なる場合はどうなるのか、相手方がその真実を知っていた場合はどうなるのか、契約書できちんと定めておきましょう。

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