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契約あれこれ

平成27年1月28日

3.秘密保持

当社はある有名企業と継続的な取引をしております。その有名企業と取引をしているということ自体が当社の信用に箔が付くと思い、当社の営業が新規顧客開拓のセールストークでしゃべってしまいました。もちろん、取引の内容は伏せてあります。ところが、その取引先から、「取引をしていることも秘密情報にあたる。」とのクレームが寄せられました。確かに、基本取引契約書を見ると、秘密情報の一つとして「取引していること自体」も含まれていました。なぜこんなことが「秘密」になるのでしょうか。

 

事業を行う企業にとっての「営業秘密」には、顧客名簿、販売マニュアル、仕入先リスト、財務データなどの営業上の情報のほか、製造技術、設計図、実験データ、研究レポート、図面などの技術上の情報が含まれます。これらの情報漏洩は企業にとって競争相手に自社の手の内を見せることになり、企業の存続にかかわることになります。営業秘密保護については、主に不正競争防止法という法律によって保護されています。ここでいう営業秘密といえるためには、以下の要件が必要となります。

(1)
秘密として管理されていること(秘密管理性)
(2)
事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること(有用性)
(3)
公然と知られていないこと(非公知性)
 

また、当事者の特約によって「これは秘密にする(他に漏洩しない)」と約束すること(違反には法的制裁を伴う)ことは、認められることです。今回の場合、例えば御社が特殊な原材料の専門商社だとしましょう。そうすると、御社と取引をしているということは、取引先の企業がその原材料を使っている、もしくは使って何かを開発しようとしていると推測され、ライバル会社にとって「ピンとくる。」可能性があります。それゆえに特に秘密に指定されたものと考えられます。

 

熾烈な開発競争をしている企業は情報管理にとても神経を使っています。なにより取引先の信用を害しないよう、契約書はよく読んでおきましょう。

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