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契約あれこれ

平成26年11月29日

1.危険負担

建物を買う契約をしました。手付を払い、いよいよ決済というときになって放火魔によって放火され、焼失してしまいました。この場合、代金は払わなければならないでしょうか?

 

しかし、ビジネスの世界ではどうでしょう。多くの契約書では、「買主が納品された目的物の検品が終わるまで、目的物の管理保管責任を負わない」という規定がおかれています。すなわち、売主は約束の商品を約束の日時に約束の場所に納品し、やるべきことをやったにもかかわらず、しかも、商品が買主の支配領域に入ってしまい、売主としては管理に関与しえない状態でありながら、「無くなってしまったら仕方がない」と言われて代金を払ってもらえないのです。契約当事者のいずれの責任でもなく、モノが無くなる・毀損する場合に、その損失をどちらが負担するか、が「危険負担」といわれるものです。

 

買主としては、納品された商品の品質・数量が約束通りかどうか分からないのに代金は払えない、と言うでしょう。売主はやるべきことをやったのだから代金を払ってほしいと言うでしょう。これでは堂々巡りとなって収拾がつかないため、上記のように危険負担に関する規定がおかれているのです。

同じ契約書でも自分が売主の立場か、買主の立場かで結果は正反対になります。よくよくご注意ください。

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